私の本の世界

はてなブログ10周年特別お題「10年で変わったこと・変わらなかったこと

 

子供のころ外に出るのが嫌いだった。

外に出るのが嫌で嫌で仕方なく、そんな暇があったら本を読んでいたい、クラスに一人はいるタイプの大人しめの性格だった。

 

それは今も変わらず。

 

小中高と図書室は私のオアシスであり、馴染み深い場所だ。

大学でも図書館はかなりの頻度で利用していたと思うが、休み時間が明確に決められている前者と違い、時間がとりづらいこともあり前ほど本に触れる機会が少なくなってしまったが変わらず少ない合間を切り取り読書に充てていた。

 

しかし大学の図書館を利用するに当たって驚いたことは、とにかく静かだということ。

図書館では映画などを1階で視聴できるので時々話し声が聞こえたりはするのだが2階に上ってしまえば喧噪も壁に阻まれて遠い世界のように感じてしまう。

人によって抗議の取り方も休憩の取り方も多種多様な大学生活では、図書室に行くタイミングというもの十人十色なのだろう。

いや、大学の図書館を利用する人など調べる目的か映画鑑賞などの目的以外で居座る人というのも珍しいのかもしれない。

 

私は本は好きだ。

しかし、静かなところで本を読むということが少し苦手だった。

周りが静まり返ることで、逆にその静寂を意識してしまうのだ。

内容よりも静寂に気を取られて読書に身が入らない。

遠く聞こえる人の笑い声、草木のざわめき、車の音。

その一つ一つが私に孤独を実感させる。

だからこそ静かなところでの読書が嫌いだった。

 

しかし今は違う。

その遠くの喧騒は、私をどこか懐かしい気持ちにさせてくれる。

例えるならば、田舎の祖母の家に行った時のように、雲がゆっくりと流れていく感覚だ。

まあ私にそんな田舎に住んでいる祖母はいないのだが・・・。

 

今は一人の部屋で本を読む時間も、喫茶店で本を読む時間も、どちらも有り難くうれしい時間だ。

 

 

これが私の変わったこと、変わらなかったこと。